皆様は普段、ロッカーを使うことはありますでしょうか。
駅や商業施設に設置されているものを利用することもあれば、職場で毎日使っていますという方もいらっしゃることと思います。
佐藤は外出先で使用することはほとんどありませんが、当院においては更衣室内にあるロッカーを毎日使っているのです。
さて、つい先日のこと、佐藤は出勤時にロッカーを使用し、扉を閉めました。
すると、ゆるやか~に扉が戻ってきたのです。
微妙な違和感を感じつつも、しっかり閉めなかったのかなとも思いまして、もう一度扉を閉めましたが、やはり開いてきてしまいます。
なぜだろうとよくよく見てみますと、詳しい原因はわからないものの、扉の取っ手部分の裏側にあるユニットが壊れてしまったようで、引っ掛かりが甘くなっておりました。
閉めても閉めても、強く押しても、マイルドにそ~っと慎重に閉めても、願いを込めつつ優しく押し込んでみても、扉は必ず開いてきてしまいます。
かなり困りまして、しばし更衣室内にて一人で立ち尽くしていたのですが、すぐにそうかこの方法があったと閃いたのです。
それは、扉を閉めた状態で押さえておき、カギをかけるというものでした。
佐藤、普段はロッカーのカギはかけていなかったのですが、ここにきてつけっぱなしのキーが活躍する時がきたのです。
扉を閉め、そのまま手で押さえながらキーを回してみました。
がちゃがちゃ、がちゃ、がちゃ、カラカラ、カラカラ?、カラ、カラ、しーん…。
どんなに回しても、カギがかかったような感覚がありません。
僅かに感じていた手応えも、何度かキーを回すうちに全くなくなってしまい、ロック部分が動いている様子がないのです。
佐藤は扉を開け、カギの部分、特にロックの金具をよく観察しながらキーを回してみました。
すると、
えぇ、
何と言いますか、
まぁ、一言で表すならば、
スッカスカ状態、でしたね…。
キーを回しますと、カギが反応する時と全くしない時があり、運よく反応してロックの部分が登場したとしても、それはすぐにだら~んとなりましてしっかりとはかかってくれません。
また、反応が薄い時にはいくらキーを回そうともロック部分はさっぱり動かないのです。
と、いうわけで、院内の更衣室にある佐藤のロッカーは、扉が壊れただけでなくカギもすでに壊れておりました。
また、困ったことに、カギを動かしているうちにロック部分は飛び出たまま反応しなくなりまして、手で持ち上げれば扉の内部に収納されるものの、指を離した瞬間に再び顔を出し、それでなくてもしっかり閉まらない扉なのに、正常なポジションに移動させることすらも阻んでいるのです。
そんな中、業務開始時間も迫ってきてやや焦り始めてきた佐藤は、あることを思いつきました。
それは、ロック部分を手で持ち上げて扉の内部に一時収納した状態にし、その後すばやく扉を閉めればカギがおりてきて引っ掛かり、開いてこないだろうという作戦です。
早速実行してみようと思い、佐藤は指でロック部分の金具を持ち上げ、素早く扉を閉めました。
しかし、かなりおしいタイミングでロック部分が落ちてきてしまい、扉が閉まるのを防ぎます。
今度は扉をギリギリのところまで近づけた後に、ロックの金具をひょいと上に跳ね上げるようにして収納させ、次の瞬間にものすごい素早さで扉を閉めてみました。
しかしながら、それでも絶妙なタイミングでロック部分は再び表舞台に出てきてしまいまして、決して扉を閉めさせてくれないのです。
この状況はどうしたものかと考え、朝からうんうん唸っていた佐藤は、僅かな時間を置いた後にハッとしました。
これ、懸命に試みているけども、もしも成功したら最後、ドア開かないんじゃないか…、と。
そうです、カギそのものがゆるゆる状態ですので、手動と素早い動きで今の計画が成功したとしても、佐藤が帰る時にキーを使って回してみたところで、今度はかかったロックを外せなくなる可能性が大きいのです。
これはトラップか!?
などと思った佐藤ではありましたが、なんということはなく、焦りと朝のアイドリング状態の脳が生んだ行動であり、冷静になって考えればすぐにわかることではあります。
よし、まず一旦落ち着こう。
佐藤は自分に言い聞かせました。
焦って行動したり対策を考えても何一つ良いことはなく、このままではまた新たなトラップが発動された際に引っかかってしまうかもしれません。
佐藤は窓の外に広がる前田地区の街並みを眺め、空が青いこと、遠くに見える雪景色、そして流れる雲などを数秒間観察しました。
そして、気持ちを整え、一度更衣室を出るとむーたんにもこの件を伝えてさらに落ち着きを取り戻し、テープを持って再びロッカーの前に行ったのです。
まず、がふがふゆるゆるのロック部分については、扉の中に収納した状態から出てこないよう、テープにて固定いたしました。
これで、何かに邪魔されるということもなく、扉を閉められます。
ただ、これではようやく出勤時の状態に戻っただけです。
扉は閉まるものの、すぐに開いてきてしまいます。
解決に向けたヒントはないものかと、よりじっくり観察してみると、扉が勝手に開いてこないようにするための引っ掛かりの部分は、どうやら本来あるべき姿とは違う形で使われていたことがわかりました。
つまり、佐藤が気づかなかっただけですでに部分的には壊れており、もともとギリギリのラインで扉の開け閉めが成り立っていたのです。
そうは言っても、まずは現状をどうにかしなければならないため、佐藤は手にしていたテープで扉とロッカー本体とをつなぎ、固定をしてみました。
すると、それだけで扉はきっちりと閉まった状態をキープしてくれるのです。
しかしながら、日々、出勤時と退勤時、さらには何か用事があってロッカーを開け閉めする度にテープをつけたり剥がしたりするというわけにもいきません。
何度も繰り返すうちに、粘着力も弱まってくることでしょう。
そこで、佐藤が考案したのはMOSです。
これは、Magnet(マグネット)、Osaeru(押さえる)、System(システム)の略でして、そのネーミングの通り、磁石を使ってドアが開いてくるのを食い止める仕組みとなります。
従来のテープシステムとは違い、ランニングコストがかからない上に貼ったり剥がしたりという手間もなく、ドアにつけてある磁石をさっと移動させればよいことから実に簡単であり、経年劣化の心配もありません。
しかも、大変ラッキーなことに、佐藤のロッカー内にはなぜか100円硬貨ほどの大きさの磁石がもともとくっついていたのです。
その磁石を使い、MOSを発動させまして、まずは何とか通常と変わらずドアを閉める(固定する)ことに成功いたしました。
それにしても、なぜロッカー内に磁石があるのだろうかと不思議だったのですが、よくよく見てみましたら、カギの受け側の穴にはこじ開けたような跡があり、だら~んと落ちてくるロック部分の金具のところにはテープの欠片が残っていたのです。
つまりはこれ、先人の知恵、ですね。
当院は昨年に開院から25周年を迎え、その間に何人もの方々の出入りがあり、出会いと別れがある中で、佐藤が今使用しているロッカーも代々様々な方が使われていたのだと思います。
そして、おそらくはその時々での破損を工夫で乗り切り、磁石を活用することによって開いてくる扉を制止したり、閉めたらもう開かないトラップに引っかかることのないようにテープを用いたり、カギが機能しなくなった場合には無理やり解除したりしていたのです。
先人の方々も苦労していたのだなぁ、と佐藤は朝からしみじみ思いました。
…。
……。
って、そういう問題ではありません!
修理!修理!その都度、その時、迅速に、しっかりきっちり再発予防も込みで直していかないと!気づかないくらいにさらっと変な位置にユニットずらして使っていたらいかんぜよ!
と、道産子が普段まず使うことのない方言がなぜだか出てきて突っ込みたくもなりましたが、今となっては佐藤が使用しているロッカーを元々どなたが使っていたのかは全くわかりません。
おそらくは、すでに退職されている方だと思われます。
それにしても、こじ開けるのはよくないですよね…。
何にせよ、このままでは困りますので事務長にも報告しましたところ、年代物のロッカーでもありますので修理ではなく、新たなものを購入していただけることになりました。
MOSがいかに優れたシステムであろうとも、日々の使用の中で磁石の落下、紛失などのリスクはありますし、何よりもカギをかけられませんから、そのような意味ではロッカーが新しくなることが決まってほっとしております。
ただ、新しいものが設置されるまでには時間もかかることと思いますので、佐藤はMOSにさらなる工夫を施しました。
それは磁石についてなのですが、先人の方々が使用していたと思われる小型のものではなく、細長いタイプでなお且つ出っ張り部分のあるタイプに変更しております。
これをロッカー本体と扉の間に縦方向で配置することにより、扉を開いた際にはカチャリと磁石が移動してくっつくため落下の心配がなく、閉めた際には再びカシャンと同じ位置に戻るため、手で移動させなくても自動での固定が可能になるのです。
これを佐藤はSMOS(Satoushiki:佐藤式、Magnet:マグネット、Osaeru:押さえる、System:システム)と名付けました。
こうしていくらかは便利になりましたが、それでもやはり正常なロッカーに比べれば不安や使いにくさはあります。
しかしながらポジティブに考えれば、本日のように一つのブログが誕生するきっかけとなった点は良かったです。
ブログ内でMOSとたくさん打っておりましたら、モスバーガーのことが頭の中に浮かんできまして、スパイシーダブルモスチーズバーガーとスパイシーチリドッグ、フィッシュバーガーとオニポテが食べたくなってきました。
若かりし頃の佐藤であれば、バーガー2つにオニポテ、そしてLサイズのメロンソーダ程度であればよくランチで食べておりましたが、今では(カロリー的に)そういうわけにもいきません。
大好きなメロンソーダもMサイズにしております。
ちなみに、モスバーガーのMOSはMountain(山)、Ocean(海)、Sun(太陽)の頭文字をとったものであり、その意味は大変素晴らしいものですので、磁石で壊れた扉を押さえる佐藤式システムとはスケールが違うなぁと感心するばかりです。
ブログをご覧の皆様におかれましては、ロッカーにまつわるエピソードがあればぜひ聞かせていただければと思いますし、SMOSを採用したい方がいらっしゃいましたらいつでもその仕組みをご説明いたしますのでお気軽にご一報ください。
また、モスバーガーの差し入れは大歓迎ですし、マクドナルド、ロッテリア、フレッシュネスバーガー、バーガーキング、ドムドムハンバーガー、そして何よりラッキーピエロ、そう、ラッキーピエロのお土産は心からお待ちしております。
それでは。