ここ北海道の冬道運転において、なくしたくてもなくせないものの一つに、狭い道路での「道の譲り合い」があります。
これは、雪によって道幅が狭くなっていることから、本来であれば全くもって問題なくすれ違えるはずの道路でも、どちらかが道を譲らなければ先に進めないために発生するものです。
佐藤は免許を取得してからはずっと冬道運転をしておりますので、道を譲ることにも譲られることにも慣れておりますが、その譲り方や譲られ方は様々だよなぁ、とふと思いました。
たとえば、タイミングの部分においては、道の向こうから車がやってきた際に、自分がどこに車を退避させるかという問題があります。
すぐ近くにそのような場所がない場合は前に進むわけですが、
「ここで横に車を寄せられるかも」
と、いうところまで来た瞬間に前方車両の方が道を譲ってくれて、
「じゃあ行こう」
と、思って動き出したらその方も同時に動き出し、
「それであれば自分が止まろう」
と、思えば対向車の方もストップする、など、何とも言えない駆け引きやフェイントのかけ合いとなる場合もあるのです。
また、道を譲っていただいた際、譲った際の挨拶というのも色々あります。
すぐに思いつくものとましては、
「軽く手を上げる」
「会釈する」
「ライトを一瞬ハイビームにする」
「ライトを消してすぐつける」
「クラクションを使用」
などでしょうか。
ただ、これらはそれぞれ一長一短があるのです。
手を上げる挨拶や会釈ですと、夜など暗い時や吹雪で視界が良くない際にはわかりにくいという欠点があります。
ライトを使う場合では逆に日中がややわかりにくいですし、場合によっては良くない意味でのパッシングと捉えられてしまわないだろうかとか、ライトを消した瞬間にそこで車を停めるものだと勘違いされたらどうしようとか、そんな心配が佐藤的にはあるのです。
クラクションは警告の意味があることからなかなか使うのが難しいですし、軽く「プッ」という程度に鳴らすつもりが「ブーッ!」と大きな音を出してしまった際には、譲ってくれた方に対して失礼な気がする上に、近隣住民の方々にも迷惑になってしまいます。
かといって、窓を開けて「ありがとうございま~す!」などと叫ぶのも微妙ですし、スケッチブックなどを用意しておいて、事前に「☆助かりました☆」などと描いておきそれを掲げるというのも運転をする上では好ましいことではありません。
何か良い方法はないものかと考えてみましたら、次のようなものが浮かんできました。
①『車の屋根に小さな電光掲示板をつけておく』
車内にあるボタンを押すことで、「ありがとうございます」とか「お先にどうぞ」などのメッセージが出るのです。
さらに、電光掲示板を青く光らせていると「こちらが譲れそうです」の意味となり、赤であれば「避ける場所がありません」、黄色だと「ちょっと微妙なラインです」となりまして、お互いに譲り合ったり、近くまで接近してすれ違うのが大変などといった事態を防ぐことができます。
②『お互いの車両間で通信してお礼を伝える』
Bluetoothとか、その他諸々、あれこれ色々な令和式最新システムを駆使しまして、直接的にお礼を言えるような仕組みにするというものです。
そうすれば、「いやぁ、なんか、かなり早い段階で譲ってもらっちゃってすいませんねぇ」とか、「いえいえ、こちら側は思いのほかスペースがありますんで、いいんですよ」などとお礼を言ったりそれに応えたりできます。
ちなみに、会話が苦手な方などのために、テンプレートとして「ありがとうございます」、「どういたしまして」、「お腹が痛くて急いでいたので助かりました」、「ブラボー!」等々を登録できるオプションもありまして、ボタン一つで対向車のドライバーさんにメッセージを伝えることができるのです。
③『クラクション以外の音が出る』
もっと楽しくなるような音で、お互いに挨拶をできるようになればいいのではないかと思います。
「ぱっふぉぉぉ~ん」という何とも愉快な音。
「ぴよぴよ、ちゅんちゅん」という小鳥のさえずり。
「ピンポーン!」と早押しした時のような音。
「びよよよーん」というバネの効果音。
情熱大陸のオープニングテーマ。
ドラクエを始める時の曲。
絶対に負けられない戦いの時にかかっているあの歌。
情熱大陸のエンディングテーマ。
楽しそうな音もありましたが、中には、流れることにより車内にてドキュメンタリーの密着インタビューを受けているかのような気分になる曲もありましたね…。
④『ワイパーとウォッシャー液にお礼システムを搭載する』
これは、ワイパーに新たな機能を付け、さらにウォッシャー液に細工をするというものです。
道を譲ってもらい、お礼としてワイパーをある角度に動かすと、虹色で霧状のウォッシャー液がぷわ~っ!と、それはもうきれいにシャシャーッ!ふわ~っ!と、空に向かって噴きあがるというシステムになります。
佐藤であればお伝えしたようにレインボーカラーを選択いたしますが、もちろんこれはそのドライバーの方の好みで、ピンクであったりゴールドであったり、中には渋く抹茶色など様々な選択肢があれば楽しいなと思うのです。
⑤『サイドミラーの活用』
これは、サイドミラーを自転車の手信号のように使おうというものです。
自転車の手信号は、曲がる時や停止する時などに手を横に伸ばしたり曲げたりします。
それを参考とし、対向車へのお礼をする際にボタンを押すことで、サイドミラーが回転したり、格納されたり出てきたりを繰り返したり、横にぴょ~んと伸びてピカッと光ったりするのです。
まぁ、ちょっと地味でわかりにくいですかね…。
と、いうことでいくつか思いつくままに書いてみましたが、実現できそうなものはと言えば、どれもなかなか難しいのかもしれません。
自動車メーカーの皆様におかれましては、ぜひとも前向きにご検討いただけましたら幸いです。
道を譲る、譲られる、そのシーンはケースバイケースで様々ですし、どのようにお礼をし、そしてそれに応えるかどうかも人それぞれかと思います。
佐藤としましては、譲っていただいた方に声が伝わらなくともしっかりお礼をしたいですし、それに対して相手の方も応えてくださると、寒いこの時期においてもどこか心温まる気がするのです。
そのため、佐藤は自身が譲る側で対向車の方からお礼があった際も、何らかの形で「どういたしまして」を表現するようにしております。
そういえば、つい先日、住宅街の道路で前からやってきた車の方に道を譲っていただきお礼をしたのですが、約1分後に再び前から車が来ましてよく見たところ、それはなんと直前に道を譲ってくださった方でした。
今度は佐藤が道を譲り、お互いに会釈をしたのですが、朝の凍結路面を運転する緊張感高まる中でも、ほっこりする瞬間であったなと感じております。
ただ、こんなに短い時間で同じ方が再び登場するとは思いませんでしたので、佐藤はついつい笑ってしまったのですが(笑)。
皆様におかれましては、道を譲ったり譲られたりした際には、どのような合図、お礼をしておりますでしょうか。
何かもしろい合図の仕方やおすすめのお礼方法をご存知でしたら、ぜひ佐藤までご一報ください。
ちなみに佐藤の場合は、昼夜どちらにも対応し、天候状況の影響が少なく、周囲の住民の皆様の迷惑とならない上、さらにしっかりお礼が伝わるように、
「フロントガラス越しに手を上げて会釈した後に上げた手はそのままでドアガラスの方に移動させ、対向車とすれ違い終わるまでいやむしろお見送りするかのように手を上げておく派」
と、なっております。
対向車の方がそこまでに気にしているか、見ているかどうかは全くわかりませんが…。
車同士とは言えコミュニケーションを大切にしつつ、安全運転で過ごしましょう。
それでは。