先日、私佐藤はある方々と約１５年振りに再会いたしました。
その方々というのは、佐藤の前々職で大変お世話になった皆様です。
当院入職前は市内にある医療機関にて勤務していた佐藤ですが、そのさらに前となりますと、実は医療とは全く関係のない分野で働いておりました。
大学卒業後に初めて働いた職場でしたので佐藤はかなり若く、基本的には個人のお宅を訪問させていただくケースがほとんどだったのですが、担当していたのはご高齢の方が多かったということもありまして、皆様まるでお孫さんに接するかのように優しく、大変良くしていただいた思い出がたくさんあります。
たとえば、ある方のご自宅に朝訪問すると、
「今日、佐藤君が来るからさ、お雑煮作っておいたから。若いんだし、たくさん食べなよ」
ということで、大きな餅が６個も入っているお雑煮をごちそうになり、
「鮭も焼けたから食べていきな」
と追加で出してくださり、さらには、
「そうだ、ケーキもあるんだった」
と、朝からデザートまでいただいたりしていたのです。
また、違う方のお宅にうかがった時には、
「天気もいいしこれから庭で焼肉やるんだよね。お昼まだなら佐藤さんも食べてって」
と言ってくださり、
「畑から好きな野菜持ってきていいよ」
とのことでしたので、佐藤はシイタケやらシシトウやらを自由にもぎ、ジンギスカンなどと共に美味しくいただいたこともありました。
さらに、日頃からよく訪問させていただいていた方が、
「年末に向けてなじみの寿司屋に注文をしに行きたい。連れて行ってもらえないか」
とのご相談を受けましたので同行したところ、たくさんのお寿司をごちそうしてくださり、その帰りにスーパーに行きたいということで立ち寄りましたら、
「お礼に家に帰ったら飲むビールを買ってあげるから好きなの選んでいいよ」
とのことで６缶パックを手にすると、
「そんな小さいのじゃなくこっちにしなさい」
と、２４缶入りのケースごとプレゼントしていただいたこともあったのです。
この方は当時の職場の新年会や忘年会にも出席していただいていたのですが、ある時、
「職員会もやりくり大変だろうから少しお金を出すよ」
と言ってくださいまして、金融機関の払い出し用紙に印鑑を押したものを渡されましたので、
「あの～、金額はどうしましょうか…？」
と聞いてみましたら、
「それは必要な分だけ好きな金額入れてよ」
と、衝撃的な返答をいただいたこともありました。
他にも、今では考えられないような様々なおもしろエピソードやびっくり体験があったわけですが、あの頃はあの頃で大変なこともあったけど、良き思い出だなぁと、現在の年齢になるとしみじみ思います。
ただ、お伝えしたような毎日が佐藤のお腹まわりを順調に育て、体重増加につながったことは間違いありませんが…（苦笑）。
さて、今回、１５年振りに訪れたお宅は、ご家族でお店を経営されており、当時の佐藤は基本的には毎日お仕事で訪問していたのです。
その時は、毎日コーヒーを入れてくださり、それを飲みながら色々なお話しを聞かせていただいてとても勉強になりましたし、佐藤の誕生日やクリスマスなどには大変ありがたいことにプレゼントをいただいたり、退職時にはお餞別もいただきました。
先日はたまたまその方のお店の近くに用事があったものですから、懐かしくなりまして、何のご連絡もお約束もなく、突然訪問させていただいたのです。
内心、佐藤はかなりのドキドキでした。
当時は毎日訪問していたとはいえ、あれから約１５年の時が流れているのです。
もし、お店で勤務されている方々の顔ぶれが変わっていたら誰も佐藤のことなど知らないでしょうし、かつてと同じご家族の皆様がいたとしても、覚えていらっしゃるかどうかはわかりません。
どうかなぁ、と思いつつ、お店の中に入りましたところ、
なんと…、
すぐに気がついてくださいました。
佐藤、正直かなりほっといたしましたし、思った以上のスピードで気づいてくださったことが嬉しかったです。
え～と…、どなたでしたっけ？？などと言われましたら、しょうがないこととはいえ、相当に切なくなっていたことと思います。
当時と同様に奥の事務所に通していただき、たくさんのお話しを聞けましたので良かったですし、ご家族の皆様がお元気だったのがなによりでした。
ただ、やはり１５年という月日は長く、嬉しくも悲しくも色々なことがあるもので、聞けて良かったお話しもあれば、そうではない話題もあり、あれこれと考えさせられた時間となったのです。
それでも、思い切って訪問してみて、本当に良かったなと思いました。
佐藤としましては、当時の自分のことを思い返し、今の自分を見つめ直し、反省したり自信をつけたりして、またさらに成長して進んでいくための良い機会となったように感じております。
前を向いて歩き、走り続ける毎日の中では、かつての自分やその時の環境をリアルに思い出す時間というのはそれほどありません。
しかし、かつての自分がいたからこそ今の自分があり、過去の様々なつながりが現在の自分を形作っていることは間違いなく、それらを確認する瞬間も大切だと思うのです。
佐藤、長い時を経ますと、当時の自分が感じていた以上に、あの時はあの時で幸せな環境にいたのだなと再認識いたしました。
そして、今はそれ以上に恵まれた環境と素晴らしいスタッフ達に囲まれているこの状況に感謝しつつ、自分にできることを懸命にがんばらなければいけないなと強く思いました。
１５年という時間が経過していても、当時と何も変わらず温かく、そして楽しく迎えていただいたご家族の皆様には本当に感謝です。
ありがとうございました。
あの頃と同様にコーヒーを出していただきましたが、その味も当時と全く変わりなく、大変懐かしかったです。
現在の佐藤の業務、役割などをお伝えしたところ、たくさんのご質問も受けましたので、皆様お元気でいらっしゃるのが一番ですが、何かあった際には当院の診療機能においてお力になれるものと考えております。
ブログをご覧の皆様にも、懐かしき場所、人、思い出などがあるかと思いますが、それらを訪れたり、会ったりすることは時に躊躇する場合もあるのかもしれません。
しかし、ちょっとした勇気を持ち、その時間を作ることで、見えてきたり感じたりすることもまた大切なのではないかと佐藤は思います。
皆様にとっての懐かしいお話しや久々の再会に関する経験、あるいは過去を振り返る中で出てきた感情や新たな考え、などなどがありましたらぜひお聞かせください。
訪問させていただいたご家族が経営するお店では様々な商品を取り扱っておりますので、もし訪れてみたいという方がいらっしゃいましたら、佐藤までお気軽にご連絡いただければと思います。
それでは。