受験シーズンですね。
つい先日は、公立高校の一般入試が行われました。
近年では自分自身が何かの試験を受けるという機会自体がありませんので、当日を迎える緊張感なども忘れてしまっておりますが、中学3年生の時を思い出してみると、それはもう、とてつもないプレッシャーがよみがえってきます。
ただ、佐藤の場合はですね、難関校合格に挑むというようなところからのプレッシャーではありませんでした。
なぜなら、当時の佐藤、ほとんど勉強をしていなかったからです。
部活に打ち込み、体型的にはちびっ子であるもののバスケ部のキャプテンを務め、同時に陸上の大会にも出場し、スポーツに熱中してきた佐藤。
勉強などはせず、毎回のテストもかなりの割合で勘とセンスを頼りに問題を解いておりました。
しかし、結果というのは実に正直なものでして、それはもう、テストの点数も通知表もひどいものであったのです。
でも、まぁ、念のためにお伝えしておきますけれども、5段階評価の中での1や2ばかりであったとか、そこまでの状況ではありませんよ。
一応は、もうちょっとはまともな成績であり、なぜか、不思議なことに、他の教科が全くできない中でも国語だけはそれなりに点数を取れておりました。
それでも、佐藤の地元の進学校やその次に位置するような高校にはまるで手が届かない、そんな成績であったのは間違いありません。
当時の佐藤は勉強や成績は全く重視しておらず、頭の中にあったのは、いかにスリーポイントシュートの成功率を上げるかとか、どうやって100m走を11秒台で駆け抜けるかとか、そんなことばかりだったのです。
ところが、やがてそれらの部活、スポーツは引退の時を迎えます。
そして佐藤に残ったのは、そう、高校受験でありました。
ブログを読んでいて思われた方もいらっしゃるかと想像いたしますが、すでに、この時点で、受験を意識するのが遅過ぎると感じられているのではないでしょうか。
はい、佐藤自身もそう思います。
部活に打ち込みつつもせめてもう少し早く、必ずやってくる受験に目を向けるべきだと、今のぽっちゃりおじさん佐藤は当時の体力筋力心肺機能鍛えまくりの佐藤に強く伝えたいです。
でも、その時の佐藤からすると、「まぁ、何とかなるさ」というような気持ちが強く、あまり深く考えておりませんでした。
しかし、その考えは一変します。
母が担任の先生と面談を行った際に、「このままでは近郊の普通科がある公立高校を受験するのは現実的ではない」と言われたからです。
その話を聞いて、佐藤はこれまでにない焦りを覚えました。
自分の中では普通科への進学を希望しておりましたし、実家の近所の高校であればレベルは高くも低くもなく、通学も楽だし、がんばれば何とか入れるだろうと軽く軽くそれはもう今の佐藤の体重とは対照的にかる~く考えていたからです。
その状況のままでは工業高校などに行くか、私立になるか、かなり通学に時間を要する他の町の高校を受験するしかありません。
15歳の佐藤、すでに季節は冬でありましたが、そこで初めて勉強に対して真剣になったのです。
それまでは塾にほぼ縁のなかった佐藤であったものの、部活仲間の友人を誘って初の冬期講習会なるものに参加することにいたしました。
受験が近いということもあり、かなり本番を意識した対策がメインでの講習会でしたので、ここでがんばれば希望校に行けるはずと考えたのです。
でも、そう簡単にはいきませんでした。
勉強の習慣が全くなかった佐藤にとっては、塾の先生が言っていることを理解するのが大変でしたし、あれこれ聞いたものを頭の中に記憶しておくのも難しい状態だったからです。
今になって思えば、その頃の佐藤は「勉強をしたつもり」になっていたのだと思います。
本当の意味で理解をしているわけではない、言われた通りに問題を解いて、わからなかったら解答を見てなるほどとなる、ただそれだけでした。
そうなると、翌日に同じ問題に取り組んでもまるで解けません。
少しひねった問題が出れば、あっさりミスをします。
なんということだ…、と日々愕然としていた中学3年の佐藤でしたが、だからと言って諦めるわけにはいきません。
高校受験はまたの機会に、とも当然ながらなりません。
すぐ近くまで迫っている受験と言う名の高い壁、それを突破するチャンスは1度きり、その時の佐藤はそう思っておりました。
それまでのスポーツ経験で感じてきたものとは種類の異なる、大きなプレッシャーがあったように思います。
思い出されるのは、受験も近づいているある日にお腹が痛くなり、近所にあったクリニックを受診した時のことです。
先生のお顔などは失礼ながら覚えていないのですが、「受験生かい?」と聞かれ、そうですというようなお話しをすると、
「緊張とかたくさんあるだろうからお腹の不調につながっていそうだけど、でも、大丈夫。なるようになるから、あまり考え過ぎないでね」
と、言っていただきました。
勉強、体調、色々な不安がある中で、その言葉はどこかほっとするような、肩の力が抜けたような気持ちにもなりまして、あまりあれこれ考えるよりも目の前のことをまずは一生懸命にやっていこうと思えたのです。
そして、佐藤は、とにかく塾で渡された問題集や参考書をしっかり解いて読んで、何度もチャレンジし、頭と体にしみ込ませていきました。
それが最善であったのか、効率的だったのかと言うとそうではないと今は思いますが、その当時はそれしか思いつかなかったのです。
志望校については、担任の先生から太鼓判を押してもらったわけではありません。
でも、あとは本番に力を発揮するということも込みで、もともと希望していた実家の近所の普通科がある高校を受験することなっておりました。
佐藤、こう見えて実は本番に強いタイプなのです。
担任の先生からは、受験近くだけではなく、2年生の時からずっと言われ、通知表に書かれていたことがあります。
それは、「考え方や話しをしている内容からすると、もっと勉強の成果につながるはずだ」というものでした。
佐藤はそれを読む度に、話を聞く度に、「ぽかーん」状態だったのを覚えています。
佐藤の考え方は考え方で、自分なりの信念やら正しいと思うことはそれそのままに行ってきているものの、それらと勉強とは何の関係があるのかまるでわからない、思考や会話の内容で成績が良くなるならこんなに苦労はしないはず、そう感じていました。
母も、面談の時には同じことを先生から言われたそうです。
佐藤は中学2年生になる時に父の転勤に伴う転校をしており、そこからの担任の先生でしたので、環境の変化が影響しているのではないかと考えていたようでもありました。
実際には、環境的なところは全く関係がなく、ただ勉強が嫌で大切だとも思っていなくて、毎回何となくのふわっとした雰囲気で授業とテストを受けていた、というのが正解です。
その後、自分にできる限りの勉強を短期間ながらも続けたわけですが、受験日の前日になっても不安だらけでありました。
勉強の成果や確信などはほとんど存在しません。
それでも、自分なりには、間違いやすい問題、勘違いしやすい語句、これが出たら必ずこれというセオリーとも言えるべき解答、それらについて最後の最後まで確認し、本番を迎えたのです。
受験当日は、同じ中学の友人達も近くにいましたから心強かったものの、緊張とプレッシャーはとてつもないものがありました。
もし、これで全然わからなかったら、合格できなかったらどうしよう、そんな気持ちもたくさんありました。
周りの友人達がお昼にしっかりとお弁当を食べてエネルギーを充電している中で、佐藤はお腹が痛くなるのを避けるためにほとんど口にしなかったのは、今のこのおじさんになるまでスタンスが変わっておりません。
肝心の試験ですが、その時の率直な思いとしましては、けっこうできたかもという感じでした。
中には、これが出れば必ず解けるはずという数少ない問題が、少し形を変えて出題されてしまい、いつも通りの答えを書くべきかどうかで迷いに迷ったということはありましたが、全体的には手応えを感じていたのです。
試験後にはすぐ、冬期講習会でお世話になった塾にて採点会がありましたので、どんな結果になるのだろうかとそこでも緊張感を持ちつつ参加いたしました。
できた気持ちになっている自分がある意味ではコワくもあり、とんでもない勘違いをしていて簡単に思えただけなのではないか、あれもこれもどれもが間違っているかもしれないという不安もかなりありました。
その時の結果としましてはですね、そうなんです、なんと、300点満点の中でボーダーラインの点数から50点以上も上回ることができたのです。
その点数だけを見れば、佐藤の何ともお恥ずかしい内申ランクを考慮しても、さらにもう1つレベルが上の高校を受験していてもおそらくは合格であろうという状況でありました。
佐藤はまずはホッとしたのと同時に、これまでの模試などでは一度も取ったことがない点数でしたのでとても驚き、また、信じられない気持ちになっていた記憶があります。
しかしながら、その結果は、塾が監修しているとはいえあくまでも自己採点です。
もしかすると、単純なミスが続き、とんでもなく低い点数であるという可能性もあるのです。
大丈夫だろうと思うようにはしましたが、それでもやはり心配な気持ちがほとんどでした。
合格発表、その日のことは、今も鮮明に覚えております。
佐藤は、友人達と共に歩いて向かい、かなりドキドキしながら確認を行いました。
早く気持ちを楽にしたい、そう思いながらも、最終的な結果を知るのは怖くもあります。
どんなに努力を重ねたとしても、それが合格という結果につながるかどうかはわからないのです。
そもそも、佐藤は3年間という期間で見ればあまりに努力の時間が不足しています。
こういった一発勝負は何が起きてどうなるかはわからないものであり、時に想定外のことが起こる場合もある、そんな気持ちもあったのです。
結果、佐藤は、無事に合格しておりました。
何か、こう、その瞬間というのは、例えようのない安堵感に包まれていたように思います。
それまで勉強についてはほとんどがんばったことがありませんでしたが、やればできるものだなぁと心から感じました。
なお、母につきましては、佐藤の苦手とする問題が多々出題されていたことを知って試験直後からかなりの危機感を持っておりまして、なんと、佐藤自身が歩いている間に一人でこっそり車を運転して合格発表の場に行き、本人よりも先に合格を確認するというなかなかのフライング行動を決行しております(笑)。
その話を聞いてびっくりしましたが、それだけ心配をかけたのだろうなとも感じまして、きちんと志望校に合格できて本当に良かったなと思いました。
クラスメイト達はと言いますと、無事に合格をした友達、確実な路線で受験したはずがなぜか不合格となった友達、色々でありまして、担任の先生は大変そうにしていたのを覚えております。
その先生は当時かなり若く、サッカー部の顧問をしていてすごくアグレッシブであり、様々な分野において生徒には高いレベルを求める方でしたが、佐藤もその時ばかりは誇らしげに合格の報告や点数を伝えたものの、
「いやいやいや!普通にやればそのくらい取れると最初から思ってたから!もっと早くから本気出しておけ!」
と、返されてしまいました。
何も心配していなかったという言葉もあったことから、認めてもらって嬉しいような、散々なテスト結果の時から佐藤的には本気だったんですけどという思いにもなるような、そんな当時の記憶があります。
その後の佐藤でありますが、この高校受験をきっかけとして勉強は大切だと痛感し、嫌々ではなく、自主的に勉強をするようになりました。
やはり、同じような苦労はしたくなかったですし、大学に進学したいとの思いもありましたし、こう見えて佐藤は隠れ負けず嫌いということもありますので、今後はスポーツだけではなく勉強でも成果を出したいと考えたのです。
色々な苦労、試行錯誤はあったものの、本日は受験に関する話題となりますので、この点はまた機会がありましたら綴らせていただくかもしれません。
努力の結果としましては、高校では学年1位にまで辿り着きましたし、大学進学後も成績優秀者として表彰されましたので、成果が出たと言っても良いのではと考えております。
ただし、高校も大学も、全くもって進学校や有名校などではありませんが…。
それでも、佐藤の中では愛着のある学校であり、共に過ごした友人で時にライバルであった仲間との競争があったことを考えると、誇りや自信はしっかりと心の中に持ち続けていたいと今でも思っております。
勉強の成績で佐藤に勝ちたいと考えてがんばっていた友人との戦いを制した以上は、その友人の分まで次のステージでがんばる、そんな気持ちがあったのです。
大学に進学してから佐藤の成績がイマイチであれば、佐藤を目標としてくれていた友人達にも失礼ですし、周りから○○高校はやっぱり大したことないなと思われるのも悔しいですしね。
大学で表彰されたからには、社会人になった時に、□□大学って、まぁ、この程度か、と見られるのも絶対に嫌でしたので。
そんなわけで、中学時代の高校受験に向けたがんばりはその後の高校時代と大学時代の成績にも直結し、そこで得た様々なものは社会人になってからの成果にも間違いなくつながっております。
さて、今回受験をされた皆さんは、どのような状況やメンタルで当日を迎え、そして試験を受けたのでしょうか。
きっと、余裕のある方、まぁまぁの方、ギリギリの方、色々であったと思います。
その年代の方々がこのブログを読んでくださっているかどうかはわかりませんが、佐藤よりぜひともお伝えしたいのは、安心してください、ということです。
はいているかどうかの問題ではありませんよ。
佐藤のように高校受験直前まで勉強を全くしていなくても、今、このようにきちんと社会人として過ごせておりますので、安心してくださいねということです。
立派に、かどうかはわかりませんし、きちんとと綴りましたが、もしかすると「そうでもないけど…」と思われる方もいらっしゃるかもしれないものの、佐藤自身としては、ちゃんと日々を過ごせている、できる範囲で公私にわたって貢献できている、はず、と思っております。
なので、受験までの過程がどうであれ、まだまだ挽回する余地は十分で十分に十分過ぎるほどにあるのです。
また、試験の結果が思い通りであっても、そうではなかったとしても、それはそれとしてまた次の道が必ず存在するのです。
佐藤は、受験も、それ以外も、思い通りにいったわけでは決してありませんが、ものすごい遠回りをしたり、とんでもないとその時は思えるような壁にぶつかった後も、最終的には良かったな、という状況になっております。
受験をした皆さんからすると、今の日常、その年齢での現在が全てであり、今回の結果が大きなウエイトを占めることでしょう。
でも、少しだけ大きな視野で、ちょっと離れたところから、自分の今後を考えてみれば、きっと、どのような結果でも前を向けるのではないかと思います。
全ての受験生の皆さん、まずはお疲れさまでした。
全ての方が素晴らしい結果になればいいなと心から願いたい一方で、どこかでは必ず誰かが悔しい思いをしてしまいます。
なので、大切なことはその後だと佐藤はあえて書きたいです。
良い結果になればその次に何を目指すのか。
残念な結果であった場合にどう前を向くのか。
これがすごく大事だと佐藤は思います。
けっこう、佐藤の割には真面目なことを書きましたね(笑)。
あくまでも佐藤個人の意見、考え、経験でありましたが、懐かしい思い出を踏まえつつ綴ってみた本日でした。
もし、ブログをご覧の皆様の周囲に受験生がいらっしゃったり、近々にそのような状況になるというようなことがありましたら、万が一にでも本日の内容が参考になると感じた際にはぜひ活用していただけますと幸いです。
まぁ、受験直前まであえて勉強をしないというのは、おすすめはできませんが…。
今後に受験を控えるという方もいらっしゃるかと思いますので、そのような皆様はぜひとも心身共に健康を保ちつつ、全力で後悔のないようにがんばってください!!
それでは。