佐藤はですね、自宅で寝る際には寝室内のベッドを使うのですが、そのポジションは壁際となっております。
なぜかという点につきましては割愛させていただきまして、本日のテーマとなるのはその壁についてなのです。
日々、就寝前の状況はどのような感じかと言いますと、佐藤はほとんどの場合においてiPhoneにて音楽を聴いたり動画を見たりして完全に眠くなるのを待っております。
本来は、寝る直前にそのような状態にするのはあまり良くないと理解してはおりますが、あれこれと気になるものもありますので、せめてもの対策でナイトシフト設定にし、できるだけ目に優しい環境にして見ているのです。
2点ほど、特に気をつけなくてはいけないことがありまして、それはベッドの下へのiPhoneの落下と動画などを見ながらそのまま寝てしまった際の布団への埋もれ、となっております。
前者につきましては、以前に1度落下させてしまったことがありまして、布団やベッドの隙間をうまくすり抜けて床付近までいってしまい、救出するのがとても大変でした。
後者も大変なリスクを伴う状況でして、iPhoneが布団の一部になってしまったことにより目覚まし用のアラームが聞こえないなどとなりましたら、一気に遅刻リスクが急上昇してしまうのです。
念のため、別の場所で違うアラームをセットしておりますが、そちらの音はやや小さいため、あくまでも保険的な意味合いになっております。
これまでに遅刻をしたことなどはありませんが、過去には、前夜の使用状況とそのまま寝てしまったせいで、掛け布団にくるまって微小な音で鳴っているアラームに何とか気が付き、いつもよりもかなり遅めの起床から焦って準備をしたというケースはあるのです。
ただ、佐藤としましても何も対策をすることなく日々を過ごしてきたわけではありません。
そもそもが、眠くなってきたのにやや無理をして動画を見ている状態がいけないわけですから、そろそろかなという入眠のタイミングでiPhoneは頭上にある棚に置くよう心掛けております。
しかし、もう少し見たいな、聴きたいな、でも眠くなってきたし、と判断に迷うケースも時にあるわけでして、そのような際にはどうするのかという課題を抱えておりました。
おりました、と過去形になっているのはですね、一応、一応は、このブログを書いている時点では解決をした、いえ、そのように思うしかない、そんな状況になっているからです。
前置きが長くなりましたが、ここからが本題となります。
佐藤、先日、寝る直前にかなり焦りました。
なぜかと言いますと、ベッドの横にある壁に、何かがくっついているように思えたからです。
佐藤はハッとしまして、ものすごい勢いで壁の方を見ました。
瞬間的に頭の中に浮かんできたのは、佐藤が苦手とする虫です。
視野の中に僅かに捉えたその物体は、何かの虫に違いないと思ったのでした。
ところが、です。
壁の方にしっかりと目を向けると、すぐにそれが何であるかがわかりました。
佐藤が見たもの、それは虫ではなく、何かの物体でもなく、そう、そうなんです、そこにあったのは、キズだったのです…。
もちろんですね、これまでには、家中のあちこちにおいてクロスがキズついたり、僅かに剥がれたりしたことはあります。
もう何年も前になりますが、食卓テーブル付近の壁のクロスに細くてなが~い微細なキズがついており、佐藤はとてもびっくりしまして、「なんで~!?誰?これ!なんでこんなんなのっ!?」と叫んだことがありました。
すると、すぐ近くから声がして、小さなバナナのおもちゃを手にしてやってくると、それを「あのね~、こう、こうしてね、こうやってね、こうしたの」と壁にガリガリガリグリグリグリと押し付けたのです。
「あぁ~、なるほどねぇ~。そうやるのかぁ、それならこのキズの謎も解けたわなぁ。って、ちが~う!それ!いか~ん!そこにグリグリしたらいけないやつ~!」
と、ちょっとした騒ぎになりまして、まぁ、正直なのは大変良いことなのですけれども、また場所的にも色合い的にもちょうど良くお絵かき帳のようにも思えるかもしれないところではあるものの、さすがにお伝えしたアクションはいかんということで、当時にできる限りでの話し合いを行って説得し、何とか解決したのでした。
他にも、生活をしていればちょっとした何かで物が落ちたり、ぶつかったり、それはもう色々あるわけですから、壁や床に多少のキズがついたとしても佐藤はそれほど気持ちに変化が起こるなく過ごしてきたのです。
ところが、それでも、やはり、今回の件には大変驚きまして、場所的にも誰かが何かで遊ぶとか、ぶつかるとか、そのようなところでもない、ただ単に佐藤が寝る時のベッドの横なわけですから、こんなところにキズがとそれ自体が信じられない気持ちでした。
しかもですね、そのキズがまた、深かったのです…。
これはもう、なんでしょう、一言で言えば、えぐれているというのでしょうか、ボコッとへこんでいると言えばよいのでしょうか、とにかく、深さ、これがひどかったですね…。
キズの長さ自体は1.5cmほどでありましたが、その深さのせいで見る角度によっては影ができてしまい、それがより虫と勘違いしてしまう要因となっていたのです。
ちょっとくらいのキズなどはそれほど気にしてこなかった佐藤も、こればかりはけっこうなショックでありました。
一度目を逸らして気持ちを落ち着けてから見てみましたが、その壁の状況は変わるはずもなく、他にはどこにも何も破損部分がないのに、そこだけがぐりっとクロスがへこんで一部めくれてひどい状態なのです。
それにしても、と佐藤は冷静になって考えました。
ここまでのキズになるということは、けっこうな衝撃があったに違いなく、足や手がぶつかったとかその程度ではないだろうと予想がつきます。
しかしながらここは寝室、しかも場所を考えれば、勢いよく何かがぶつかるとか、飛んでくるとか、そのような事態も考えにくいのです。
では、その場所に最も多くいるのは誰なのか。
それは…、どこからどう考えても、佐藤でしかありません…。
そうなりますと、えぇ、必然的に、そうは考えたくはないものの、このキズに何らかの形で関わったのは佐藤であろうということになるのです。
自分で、自分を疑う、何とも言えない気持ちでありました。
ただ、ここまでの深さで壁がえぐれている事実を見れば、何事もなかったかのように過ごすわけにもいきません。
でも、でもですね、どう考えても、あれこれ想定しても、どうにもこうにもその壁にそれだけの深さのキズがつくような何かを佐藤がした記憶がないのです。
右手、左手、右足、左足、肘、膝、などなどを確認してみても、特に痛みがあるわけでもないですし、佐藤自身にキズがあるわけでもありません。
壁のキズを見つめながら、できれば見たくないその深さを見ながら、佐藤はさらに考えました。
ここは寝室、そう寝室。
寝室の真実。
真実は寝室。
真実はひとつ。
そうさ誰かの仕業さ。
真実は寝室の中にたったひとつ。
誰かがつけたキズ証明してみせなYO!
照明で正真正銘の答えを見つけようYO!
それが寝室の真実!!
などと、思わずラップ的なリズムが頭の中に浮かんできてしまうところでしたが、その中でですね、佐藤、ふと思ったのです。
先ほどのリズムで、照明と綴りましたけれども、もっとさらに近づいて、それだけではなくキズにライトを当てて観察してみようかな、と。
そして、佐藤、自身のiPhoneを手に取った、その時でした。
日々の暮らしの中で時折訪れる、佐藤的閃きが起こったのです。
シュピーン!と、カチャカチャ!っと、何かが、パズルが解けたような感覚がありました。
でも、それを検証するという行為は、すなわち、そう、佐藤が真実に辿り着いてしまうという、その、あの、やっぱり見なかったことにすればよかったという、そんな状況であったのです…。
佐藤はですね、iPhoneのライトは起動させず、手に持ったまま、壁に近づきました。
そして、そ~っと、そ~~っと、壁のキズに、iPhoneの角を押し当てたのです。
…。
……。
ピタリ、でありました。
深く、えぐれるようにして壁にできたキズ、そこに、iPhoneの角はピッタリとはまったのです。
知らなければ良かったのかも、と思いました。
思わず、「ジャ、ジャストフィットしとるやん…」と普段はまず使うことのない関西弁が出てきてしまったほどです。
佐藤は、そのままベッドの上に横になり、それから天井に向けてやや手を伸ばし、iPhoneを持ってみました。
これは、就寝前に、あともう少しYouTubeやInstagramを見ようかな、でも眠いしな、もしベッドの隙間からiPhoneが床に落下してはいけないし、布団に埋もれてアラームが聞こえにくくなってもいけないし、それならばどちらも防ぐためにこの体勢であとちょっと見たり聴いたりしよう、という時のポーズです。
その後、佐藤はそのままiPhoneを持った手を壁側に向かって倒していきました。
これは、寝る前の課題2つへの対策としてとった上記のポーズのまま寝てしまった時に、脱力して腕が重力に逆らわず下へと向かっている時の状態です。
はいっ!と、その検証途中で手を止めましたら、えぇ、えぇえぇ、えぇ、そうなんですよ、やっぱりその深いキズに、ピターッとiPhoneの角が収まったのであります。
何の解決にもなっておりませんでした。
寝る前の課題をどうにかしようとして、腕を伸ばした体勢でいればさすがに寝ないだろうとの思いはまるで違っていて、あっさりそのまま眠りにつき、手は壁に向かって勢いよく倒れ、持っていたiPhoneの角はすごい勢いでぶつかり、はい、見事に深いキズができましたと、それが寝室の真実となっております。
キズ発見の数日前、確かにそのようなことがあったと、記憶が頭の中に出てきたのです。
その時は、深夜であるにもかかわらず、ガコンッ!と大きな音がしたものの、瞬間的に思ったのはiPhoneは大丈夫かなというその一点でありまして、まさかこのように壁がひどいことになっているとは全く考えませんでした。
正直に言いますと、佐藤、自身がいけないのは当然理解しているものの、率直な言葉としましては、「壁、もう少しがんばってくれよぉ!」と思ってしまいましたね。
えいっ!とiPhoneを投げつけたわけではなく、自然のスピードで手がだら~んと落ちていっただけなのに、確かに硬さのある本体と角ではあるとはいえ、こんなに、こんなにもがっつりとえぐれるものなのかと切なかったです。
と、いうわけで、寝る前にはですね、なんだかんだ言っても、眠くなってきたら、その予兆を感じたら、「壁に深いキズができるぞ!」と自分に言い聞かせてすぐにiPhoneを棚に置く!必ず置く!これが何よりも確実で安全な解決策と言えます。
こんなポーズであれば寝るわけがない、それはまったくもって違うのです。
壁側に手が倒れないような工夫をした日も、実はあるにはあるのですが、その時はですね、はい…、自分のアゴにiPhoneが落下してきましたね…。
そもそもそれほど高く手を掲げていなかったですし、ハッと思って瞬時に顔をずらしましたので大事には至りませんでしたが、それでもアゴはかなり痛かったです。
そう考えますと、想像以上にiPhoneというのは硬く、それなりの重量もあるため、その後からは、寝る前にキズを見る度に、「壁…、ごめんね…」と反省をしております。
ただしかし、誰かに見せる場所ではないにせよ、そのままの状態は何とも言えず、かと言って大掛かりな修理をするのもどうかというところでして、何か妙案はないかと考えているところです。
なお、お伝えしたような状況でできてしまったキズでありますので、佐藤の気持ちとしては誰にもこれを知られたくない思いでおりました。
しかし、自称シンガーだけではなく、自称正直者の佐藤でありますし、自称時々おもしろいことを言うおじさんでありますので、ただ何もなく黙って過ごし続けるのには限界があったのです。
佐藤は少し考えてから、言いました。
「あの~、寝室の壁で何かが起きているんだけど、あんまり見ない方がいいよ。もし、見る場合は、怒りのエネルギーとかそういうの、持たない覚悟で見るのをおすすめします」
そうしましたら、すぐにアクションがありました。
「え!?何?どういうこと?壁に何かって?何!?」
佐藤は返します。
「いや、だから、その、何か、だよね。ヒントは、こっちの、このあたりかな」
少しの沈黙の後に言葉が発せられました。
「……。穴開いてるじゃん!!えーっ!?穴、開いてるよ!!」
「いや、いやいやいや、穴とかさぁ、そんな、なんかそれだと重大感出てない?キズね、キズ、これ、キズだよね」
「いや!穴だよ!どう見ても、穴でしょ!!」
それからですね、やっぱり佐藤正直者ですから、穴が開いた、い、いえ、キズができた経緯はしっかりとご説明いたしましたね。
そうしましたら、アドバイスを2つほどいただきまして、1つは「眠くなったらすぐiPhoneを置いて寝た方がいいよ」でありました。
これは、お伝えしておりますように、すでに佐藤が導き出した答えでありますが、状況的にはわかっているよとも言えないわけでして、素直に聞き入れ、もう1つは「穴の場所にはシールでも貼っておいたら?」とのお話しがあったのです。
こちらについては、保留となっております。
どこまで本気での発言であったのかはわかりませんが、おそらくは補修目的のシールではなく(そもそもそのような商品があるかも不明ですが)、何かいい感じのものを貼れば良いというようなニュアンスであったと感じているところです。
たとえばコンサドーレのシールを貼るなども楽しいものですが、おそらくは、自宅内にたくさんありますシール帳からのセレクションが必須となり、それがエスカレートして壁がシールだらけになるという未来も想像できますので、後々のことを考えてもあまりよろしくありません。
教訓になると共に、同じことを繰り返さないようにとの思いにはなるものの、毎朝と毎晩、その深い穴、いえ、キズを見るのはどうにもこうにもという気持ちであるのは確かなため、対応をどうしようかについて日々考えておりますが、なかなか難しいところです。
でも、今こうしてブログを綴りながら、佐藤はあることを思いました。
このキズ、そうだ、これは、アートということにしようかな、と。
実際のところ、きれいに補修するのであれば別ですが、単にシールなどで見えないようにしたところで、その状況を目にする度にキズのイメージは出てきてしまうのです。
ならば、思考を変えまして、それは何かで覆って隠すものではなく、むしろ積極的に見て楽しむものにした方がポジティブなのではないかと佐藤は考えました。
しかも、ちょうどいい感じにですね、キズがまた斜めであったり、深さとえぐれ方が上下非対称であったり、何とも言えない構えで刻まれておりますので、真っ白なクロスにそこだけがという状況も踏まえますと、アートなのです。
そう、そうですとも、アートですよ。
これは、アートなんですよ。
決して意図的に創作したものではありませんが、眠気とiPhoneの重量感と佐藤の手の角度と発想が偶然作り出したアートなのです。
このように思えば、寝る時も、目覚めた時も、「ほほ~ぅ、なるほどねぇ、クロスのめくれ具合、深さの加減、この構え、素晴らしいですねぇ」などという感じで、心にゆとりを与えてくれるのかもしれません。
考え方一つで、気持ちは大きく変わってくるものですよね。
まぁ、キズは、完全なる佐藤の不注意と誤った対策の結果ではありますが…。
とにかく、お伝えしたような状況は事実ではあるものの、やはり何事もポジティブに捉え、また同じようなことを繰り返さぬようしっかりと対策を実行し、日々を楽しく過ごしてまいりたいと考えております。
これ以上キズが増えたり、同じ部分に再度アタックするような事態となりいよいよ穴になった、などは万が一にも起きてはいけませんので…。
皆様におかれましても、壁際で就寝されている方々は特にですが、思わぬアート制作となりませぬよう、また佐藤のようにアゴなどにスマホ等を落下させることのなきよう、くれぐれもお気をつけください。
佐藤、もうちょっと動画を見たいなぁという気持ちになった時には、スリープタイマーをかけた上で、頭が良くなるとか睡眠の質が高まるというモーツァルトなどのクラシックを聞きながら眠ることにします。
それでは。