現在、当院ではインフルエンザの予防接種を行っております。
詳細につきましては当院のホームページをご覧いただくか、お電話にてお問い合わせください。
さて、このインフルエンザの予防接種ですが、佐藤、つい先日打ちました。
いえ、正式には、急遽打ちました、です。
インフルエンザワクチンは1本の中に2名分が入っておりますので、おそらく多くの医療機関では開封した後に余って廃棄することのないように対応していると思います。
当院でもその点は配慮しつつ実施しているのですが、当日になってどうしても1名分余ってしまうことがあるのです。
そんなわけで、先日、1人分の余りが出そうなことから佐藤に声がかかりました。
これは特別なことではなく、以前勤めていた医療機関でもそのようなケースは毎年あったのです。
ただ、以前は、佐藤に声がかかったらすぐに、
「○○主任、今日打てますか?」と促したり、
さらにもう1名分余ってしまったとのことで声をかけられた時には、
「□□さん、まだインフル打ってないよね?今日いけるかい?」とお願いしたり、
翌日にまた余りが出ましたと連絡がきた際には、
「△△くん、早めに打っておいた方がいいから、今から外来にいっておいで」と伝えたり、
翌々日に外来看護師からの着信がPHSにありましたら、すぐさま、
「○○さんは~、もう打った、そうか。じゃあ、□□主任は?え?昨日打ったって?え~と、じゃあ病棟クラークの△△さんはどうかな?あ、今日休みか…。そうすると○△くんか連携室の△□副主任、どちらかはいけそう?何?ついさっき打った、そして外勤中…。う~む、むむぅ…。誰か~!誰か~!誰か今から打てる人はいませんか~!?」となりふり構わずに自部署のスタッフ達に確認したりして、
とにかく、いきなり予防接種を受けるということを避けておりました。
はい、ここまで書きましたら、お察しの方は多いかと思います。
本日のタイトルにもありますしね…。
そうです、佐藤は注射が苦手なのです。
まぁ、おそらくは、「僕、注射大好きです!」という方はそうそういらっしゃらないかと思いますし、「もし私でよかったら、全然皆さんの分まで打ちますよ!」という方もいないかと思います。(後者は別の問題もありますが…)
注射というのは大半の方が苦手なのだとは思いますが、佐藤は小さな頃より、かなりの、ものすごい勢いで、とにかく、何がどうで何と言われようとも、大の苦手なのです。
さすがに、もうなかなかの期間、医療機関で働いていることから、毎年の健診の採血、インフルエンザの予防接種、そしてコロナワクチンは恒例行事ですので、かつてに比べれば慣れてきた感もありますが、それでもなお、苦手なことには変わりがありません。
ほとんどのことは(何とか)対応し、好き嫌いも(ほぼ)ない佐藤でありますが、『注射(採血を含む)』、『虫』、『納豆』、『高いところ』は佐藤の中での苦手四天王なのです。
話を戻します。
このように、注射を苦手とする佐藤に対して、先日は「今日この後、打ちませんか?」という声がかかりました。
当院に入職してからは、初めてのインフルエンザの予防接種です。
佐藤の周囲を見てみても、かつてのように代理をお願いするスタッフがいるわけではありません。
かと言って、「いえ、その、あの~、今日はやめておきます」、などと言うのもかっこ悪いという一抹のプライドもまだ残っておりました。
そこで佐藤、迷ったり返事をあやふやな感じにしている中で、ある結論に達したのです。
それは、すぐ近くにいた、「むーたん写真館」のコーナーでお馴染みであるむーたんとのじゃんけん勝負でした。
むーたんとの話し合いの結果、じゃんけんに勝った方がインフルエンザの予防接種を急遽この後に打つ、いえ、打てる、いや、打たなければならない、とのことで決定したのです。
正直な思いをお伝えしますと、負けたいとの気持ちが大半でありました。
こう見えて実は隠れ負けず嫌いの佐藤ではありますが、この勝負についてはさらりと負けてもかまわない、そう思っていたのです。
ただ、一方で、今日打ってしまえば楽になるという思いも心のどこかにはありました。
かつてのように、前々日から気持ちを作り、メンタルを整え、もちろん体調面にも配慮し、前日には覚悟を決め、本当に今日でいいのかと躊躇しつつも何とか決意して、「今日、打ちます」の一言を絞り出す、そんな日々はもう卒業しなければいけないと感じていたのです。
それに、そのように前々からあれこれ考えて当日を迎えますと、より緊張感が増してしまうという問題もあります。
そういう意味では、この後に打ちませんかという打診は、チャンスであるとも言えるのです。
やはり勝負事である以上はたとえジャンケンであっても勝つべし。
いや、でも、本当にこの後すぐに針が身体に刺さってきてもよいものか。
ここですっきり勝利してさらっと終わらせれば楽になる。
いや、しかし、肉体に針が刺さるという非日常的且つ痛みを伴う行為は素直に怖い…。
そのような思いの中で始まったインフルエンザじゃんけん。
最初はグー!
じゃんけんぽん!!
勢いよく出した手は、佐藤、むーたん共にグーであり、あいことなりました。
ふぅ~。
互いに深く息を吐き、集中を高めます。
佐藤の中では、あいこ、引き分けということで、勝負はまた明日、という気持ちも多少は頭の中をよぎりました。
しかし、ワクチンを無駄にするわけにはいきません。
予防と重症化を防ぐためにも、ワクチンは打たなければなりません。
覚悟を決めるしかないのです。
最初はグー!!
じゃんけんぽん!!!
再び力強く出した手。
そう、
結果は、
佐藤、
勝利しておりました。
本来であれば、勝利に対しては「よしっ!!」とか「いよっしゃー!!」などという声が思わず出てしまって喜ぶものです。
また、悔しさが溢れてきた際には「うわぁ~!」とか、「ええ~!」とか言って残念がるものなのだと思います。
しかしながら、この日の佐藤はと言いますと、じゃんけん勝利の瞬間に出てきた言葉は、「いよっわぁぁ~!」という何とも言えない言葉でした。
良かったのか、そうでもなかったのか、微妙なラインの時には、人は表現しにくい言葉が出てきてしまうようです。
さて、そんなことで勝利した、いえ、してしまった佐藤は、その当日にインフルエンザの予防接種を受けました。
大変ありがたいことに、当院の外来看護師の手技は見事なものでして、非常に手早く、そして優しさもありましたので、痛みはほとんど感じずに済んだのです。
いつもそうですが、注射というのは終わってみればどうということはありません。
若干、注射部位の痛みはあったものの、その後も何の問題もなく経過いたしました。
こうして当院に来てから初のインフルエンザの予防接種を終えた佐藤ですが、佐藤が注射を大の苦手にしていることを知っているスタッフはまだまだ少ない状況ですので、今後のために(励ましてもらうために)どんどんこの事実を周知していきたいと考えております。
皆様におかれましては、インフルエンザの予防接種はお済みでしょうか。
全然平気だという方、佐藤のようにとてつもなく苦手だという方、色々かと思いますが、予防接種を受けておくことはとても有益です。
これからという方はぜひご検討いただき、当院受診の際にはお気軽にお申し出ください。
なお、注射が苦手なので励ましてほしいという方がいらっしゃいましたら、佐藤でよければ力の限りに応援したいと思いますので、ご連絡いただければと思います。
ただし、接種するその瞬間からは目を背けてしまいますが…。
注射を打つ機会が非常に多くなっている昨今ですが、小さな針一つに屈するわけにはいかない、草むしり中に不意に刺さったトゲの方が十分に痛かった、そんな風に気持ちを強く持って過ごしていきたいと思います。
それでは。