4月に掲載したブログにて、『15年振りの再会』について記したことがありますが、本日はその第2弾となります。
と、言いましても、シリーズ化しようとして行動したわけではありません。
つい先日、市内のある施設にて研修会があり、そちらに参加したのですが、その近郊には佐藤が社会人になりたての頃に働いていた地域があります。
医療とは全く違う職種で、佐藤がかなり若い頃に働いていた時の担当地域です。
佐藤、研修会の前にお昼を食べようと思いまして、ふと、静かな住宅街の中にある喫茶店のことが思い浮かびました。
それこそが、今回約15年振りに訪問させていただいたお店となります。
そのお店はご家族で経営されている喫茶店で、夜には居酒屋さんになるのですが、当時の佐藤は前任者から引継ぎを受けた際に初めて訪問いたしました。
頻繁にということではありませんでしたが、定期的に訪問する機会があり、前任の先輩からは「ここに来た時はコーヒーでも飲んで少し休憩していいんだよ」と言われていたのを覚えています。
しかしながら、佐藤はあまりコーヒーを飲みませんので、途中からはランチを食べるようになりまして、その後は業務での用事がない時にもお昼休みに寄らせていただくことがあったのです。
当時の佐藤がよく食べていたのは、「チャーハンとレモンスカッシュのセット」でした。
セットにはキャベツのサラダとスープ用のカップに入った味噌汁もついてきて、かなりボリュームがあったと記憶しています。
実は今回、佐藤はお店の前まで行ったものの、最初はその見た目に少し戸惑ってしまいました。
率直な感想をお伝えしますと、お店が営業しているかどうかがわからない状態だったのです。
最後に訪れてからは約15年の月日が流れていますから、その間に色々な出来事があっても仕方のないことではあります。
ただ、よく見てみますと、ごく小さな「営業中」と書かれた案内板が入口のドアのところにかかっていたのです。
それでも、佐藤、迷いました。
もしかすると、「営業中」の案内すらも、そのままになっているだけで、今はお店はやっていない可能性もあるのです。
それどころか、中にいらっしゃるのは佐藤が全く知らない方である、という可能性すらあります。
一度お店の近くで車を停めた佐藤ではありましたが、その場を少し離れ、考えながらぐるりと付近を一周し、再びお店の前を通過した後に、決めました。
よし、まずはお店の中に入ってみよう、と。
その付近は、日々の生活や業務関係で訪れる機会もあまりない地域ですので、何となく、これを逃すと次に来るのはずいぶん先になってしまうような気もして、もし営業をしていなくても、知らない方がいたとしても、それはそれとして入ってみようと思ったのです。
そして佐藤、駐車場に車を停めた際に気が付きました。
入口のところに、「10月で営業を終了する」というような貼り紙があったのです。
驚きましたが、同時に、それは現在は営業しているという証でもありましたので、どこかほっとしたような気持ちにもなり、佐藤はお店の中に入りました。
すると、当時のマスターがいらっしゃいまして、年齢を重ねられている様子はもちろんありましたけれども、昔と変わらない雰囲気と声であったのです。
佐藤、カウンターの席に座り、メニューを見た後に、「チャーハンとレモンスカッシュのセット」を注文いたしました。
マスターは、何も気が付いていないようです。
お店の中をよく見てみると、メニューのラインナップも含め、当時と大きな違いはありませんでしたが、奥にある佐藤がよく座っていた2人用のテーブル席はなくなっておりました。
また、駐車場には車が1台もありませんでしたが、店内にもお客さんは佐藤以外誰もおらず、静かだったのです。
当時も、すごく静かな雰囲気のお店ではありましたが、お昼にはスーツを着たサラリーマンの方々がいたり、近所の方がコーヒーを飲みに来ていたりと、お客さんが何人もいる光景が普通でした。
少しして、注文したチャーハンとレモンスカッシュが運ばれてきたものの、近くにきたマスターはやはり佐藤に気が付いている様子はありません。
佐藤は、マスターに話しかけるべきか、それともこのままさらりと食べて飲んで立ち去った方がよいものか、少し悩んだのですが、せっかくですし、マスクを外すタイミングで思い切って問いかけてみました。
佐藤:「あの、○○さん、僕のこと覚えてます?」
マスター:「えっ!?あれ~、う~ん、ん??どこかで見た顔だよなとはさっきから思っていたんだけども…」
佐藤:「ヒントは、金融機関です」
マスター:「あっ…!わかった!□□の!?」
と、いうことで、前回15年振りに再会した方々のようにすぐには気が付いていただけなかったのですが、どうやら覚えてくださっていたようで、すぐに色々な会話をすることができたのです。
お店については、お昼の喫茶店は10月で閉店するものの、夜の居酒屋だけはまだしばらく週に何度かは続けていくとのことでした。
40年間営業してきた中で、当時の常連さんはどんどん定年退職されていき、新規で訪れる方もほとんどいなく、お客さんの数がかなり減ってしまったとのことで、これ以上お昼の喫茶店を続けていてもしょうがない、との判断になったようです。
また、近所の方についても、みんな変わったからなぁ、とマスターはお話しをされておりました。
マスターのお知り合いの中には、当時の佐藤がお仕事で担当していた方もおりましたので、その方々のお話しにもなりましたが、お元気な方もいれば、残念ながらそうではない方もおり、切ないような、懐かしいような、色々な気持ちになったのです。
一番驚いたのは、現在そのお店を担当しているのは、当時の佐藤の直属の上司であるということがわかった時でした。
当時、佐藤が担当を引き継いだのがその上司であったのですが、その後にはいくつかの支店を経由して、再び戻ってきているというのです。
その上司に方には、若かりし佐藤は大変お世話になりました。
お酒が飲めない方ですので、新年会や忘年会、その他のお酒のイベント開催時には毎回送り迎えをしていただいていたのです。
こちら、お酒を飲んだ「帰り」だけではなく、「迎え」という部分もポイントになっております。
当時の佐藤の自宅と職場の位置関係からいきますと、公共交通機関で通勤するのが少し大変な部分もありましたので、歓送迎会などがある時も毎朝自家用車で出勤しておりました。
そして、佐藤はこう言うのです。
「主任、今日の飲み会の後、また送ってもらってもいいですか?あと、この後、お昼食べに行きませんか?」と。
すると、主任はこう言います。
「あぁ、そう。じゃあ、まずお前ん家に車置きに行って、それから昼食べに行けばいいのね。で、帰りは泥酔したお前を家まで送ればいいのね(笑)」、と。
そんなわけで、佐藤は自宅に一度車を置きに行って迎えにきてもらい、お昼はお昼でごちそうになってから職場に戻り、夜は夜で上機嫌になって歌いだしそうなテンションのまま家まで送っていただくということが、何度もあったのです。
今考えると、自由な部下であり、本当に優しい上司であったなと思います。
ただ、念のためにお伝えしておきますと、さすがの佐藤もただ送り迎えをしていただいていたわけではなく、甘い物が好きな主任のためにコアラのマーチをプレゼントするなどはしておりました。
また、真面目なお話しをしてしまいますと、当時所属していた支店の年間目標の半分以上は佐藤の実績によるものでしたので、数字や目標によって苦しんでいた(多少大げさですが…)主任を解放するお手伝いができていたのかなとは思います。
年度末が近づきますと、
主任:「この時期でこの数字、これは非常にまずい。何とかならないか?」
佐藤:「え~、でも僕の目標はもう先月に達成してますよ」
主任:「そんなこと言うなよ。ほら、何か逆転満塁ホームランの案があるんだろ?」
佐藤:「う~ん、ないこともないんですが、何か最近、のらないんですよ」
主任:「くっ…。そんこと言わんで、ほら、目標達成したら祝勝会できるだろうからさ!」
佐藤:「えっ、そうなんですか!?じゃ~、今週中にやります!!」
という具合で、本当に、その支店のために佐藤はがんばり目標を達成いたしました。
もちろん、当時のお客様からのご協力があっての成果ですし、こう見えて佐藤、実は、日頃から(自分なりには)しっかりとした信頼関係を築くべく努力を重ねてきましたし、若い頃から意外に真面目に(自分なりには)業務に取り組んできましたので、それらの結果が大きいと思われ、祝勝会パワーのみによるものではありません。
その時の主任の言葉をお借りすると、逆転満塁ホームランを放つきっかけとなった方は、今回マスターとのお話しの中にも登場しておりますので、それも何とも不思議でありました。
さて、約15年振りに食べたチャーハンについてですが、とても美味しく、また当時の味を感じて懐かしくなりましたが、素直な感想としましては、佐藤の中の味の記憶とは完全一致ではなかったような気がします。
チャーハンはマスターが作っておりましたが、当時はマスターのお母様が調理を担当されておりましたので、その違いもあったのかもしれません。
一方、カップに入った味噌汁は当時の味そのままであり、レモンスカッシュはややドライになっておりました。
たまたま思い立って訪問してみた今回ですが、お昼の喫茶店部門が今月で閉店となることを考えても、本当に良いタイミングであったと感じております。
前回の再会に続き、良いことも、そうではないことも耳にする結果となりましたが、何か当時の自分をあれこれ思い出して、ここからまたさらにがんばっていこうという気持ちになりました。
佐藤がかつて担当していた地域には、あの方は元気かなぁ、どうなっているかなぁと気になる方や場所がまだまだたくさんあります。
何か、心のどこかでは、「さて、僕は誰でしょう?」と問いかける瞬間のドキドキが楽しくなってきている感すらあるのも事実です。
ただ、やたらと懐かしの再会をするというのもどうかと思いますし、佐藤が担当していた方々の大半は当時からすでにご高齢の方が多かったことを考えますと、毎回必ずしっかりとしたお話しができるとも限りませんので、やはりごくたまにこのような動きをするだけでいいのかもしれません。
15年振りの再会を再びということで、ブログの方も長くなってしまいました。
佐藤は、マスターが作り出していた空間や雰囲気と、かつての若かりし自分があれこれ考えながらお昼のひと時を過ごす場所を提供していただいたことに、心から感謝しております。
40年間にわたり喫茶店を続けてこられたマスターとそのご家族様、本当にお疲れさまでした。
まだもう少しの間、お昼の営業も続いておりますので、どこにあるどんなお店か気になるという方がいらっしゃいましたら、佐藤までお気軽にご連絡ください。
また、万が一、当時にこの喫茶店に通っていたという方がいらっしゃいましたら、ご紹介したご事情もありますので、一度訪問してみるとよいのかもしれません。
ブログをご覧の皆様の中でお心当たりがあれば、佐藤までご連絡いただければと思います。
帰り際、マスターには、佐藤が昔にお世話になった元上司が担当者として訪れた時にはよろしくお伝えくださいとお話ししましたので、もしかするとその方とも、どこかで再会する機会があるのかもしれないなと考えているところです。
お互いの自宅が今はかなり離れていることを考えれば、さすがに今後はお酒の席があったとしても送り迎えをお願いすることはできそうにありませんが(笑)。
また、懐かしい訪問をした際にはブログ内でもご紹介させていただきます。
それでは。