皆様は、お気に入りのソフトドリンクはありますでしょうか。
佐藤は、ブログの中で何度か触れましたが、メロンソーダが昔から好きです。
以前、お世話になっている連携機関の方のもとを訪問した際、「ブログを見ましたよ」と、ペットボトルのメロンソーダを出していただいた時には大変嬉しく、驚き、また少しだけ恥ずかしくもありました。
そんな佐藤にとって嬉しいニュースがあったのは、先々週のことです。
何気なくスーパーのチラシを見ていましたら、なんと、600ml入りのペットボトルのメロンソーダが発売されていたのでした。
ドリンクバーなどではかなりの確率でメロンソーダがラインナップされておりますが、ペットボトルとなると他のソフトドリンクに比べて希少性が高いにもかかわらず、今回新発売された商品は600ml入りとたっぷり飲めるサイズなのです。
佐藤、かなり嬉しくなりまして、すぐに購入いたしました。
また、さらに嬉しいことに、メロンソーダと同時にブルーサイダーも発売されておりましたので、こちらもすぐさま購入しております。
ブルーサイダーについては、ブルーハワイ的な色で、実に爽やかな炭酸飲料です。
ブルーハワイと言えばかき氷であり、ブルーハワイ味ってどんな味かと言うと、それはやはりブルーハワイでしかなくて、まぁ、その、ブルーハワイ味ですよね…。
という、長年の疑問と言いますか、あまり深く触れてはいけない、ブルーハワイはブルーハワイで納得しておいた方がハッピー感もあるこの味なのですが、佐藤は青が好きだということもあり、ブルーサイダーの600ml入りにもかなりテンションが上がっていたのです。
そのような中で、つい先日、佐藤はあるスーパーでメロンソーダとブルーサイダーが販売されているコーナーを目にしました。
そのスーパーは普段あまり行かないお店なのですが、業務後にたまたま立ち寄ったのです。
よく見ると、なぜかブルーサイダーのみ特売を行っておりました。
自宅の冷蔵庫には発売を知った直後に買ったメロンソーダとブルーサイダーがまだ何本も冷えていたのですが、少しでもお安く購入できるのであれば今後のためにも買うしかない、佐藤はそう思ったのです。
メロンソーダが冷蔵棚に陳列されていたのに対し、ブルーサイダーはそのすぐそばに箱積みになって置かれておりました。
24本入りの箱の上半分を切り取って置いてあり、箱は二段になっています。
つまり、合計48本分のブルーサイダーが見えている状態です。
その下には何かの箱があり、一番下の土台には台車という配置で陳列されておりました。
さらに、すぐ隣には同じセットが並んでおりましたので、結果的には、箱に入った96本のブルーサイダーが売られている状況だったのです。
当然ながら、それらの中から何本かを購入しようと思えば、一番上に置かれている箱のブルーサイダーを取ることになるわけでして、佐藤は何の疑問も抱かずに近くまで行って手を伸ばしました。
その時です。
ガタン!
と、目の前のブルーサイダーが傾きまして、佐藤は咄嗟に支えようと両手を差し出しました。
なんとかして一番上の箱に入っているブルーサイダー24本を受け止めたのですが、そのすぐ下に配置されていた二段目の箱にある24本のブルーサイダーもぐらぐらとしているのです。
ど、ど、ど、どういうことだ!?
何が起きたのか、佐藤にはさっぱりわかりません。
大変驚き、慌てましたが、まずはその状況を何とかするしかないと思い、二段目のブルーサイダーを支えることにいたしました。
この時点で、佐藤は中腰状態です。
二段目のブルーサイダーを支えると、今度は一番上の箱に入っていたブルーサイダー達が転げ落ちそうになってきます。
こ、これはマズイ!
そう思った佐藤は、左手で二段目のブルーサイダー24本入りの箱を支え、右手で一段目のブルーサイダー24本入りの箱を支えることにしたのです。
この時点では、中腰状態プラス両腕を最大限に広げておりました。
しかも左腕は下に右腕は上にでしたので、ちょうどバスケでいうところのディフェンスをしている格好です。
まさに状況としてはディフェンスをしなければいけない状態でありまして、もし、佐藤が手を離せば合計48本のブルーサイダーが売場にごろごろころころと転がり放題になると共に、すぐ隣のブルーサイダーの箱にも影響が出てしまう可能性があります。
そうなりましたら、全部で96本のブルーサイダーがごろんごろんと、それはもうころりころりと売場のあちこちに散乱してしまうかもしれないのです。
ディーフェンス!ディーフェンス!
そんな声が佐藤の頭の中に響いてきました。
サッカー好きのイメージが強いと言われる佐藤であり、事実そうなのですが、実は中学時代はバスケ部でありまして、ちびっ子体型でありながらも一応はキャプテンだったのです。
ここはなんとしても守り切らなければ、集中してディフェンスをしなければ、そんな思いになりつつ48本のブルーサイダーを支えました。
しかし、このままではやがて力尽きてしまうことは明らかです。
まず、原因を調べなければ。
そう思いよく見てみると、三段目にある箱がぐしゃりと潰れていることがわかりました。
つまり、その箱が潰れて傾いたことにより今の状況となっているのです。
ただ、その箱をすぐに元通りに戻すのは極めて難しいように思えました。
佐藤の両腕は全力でディフェンスをしている状態で、ブルーサイダーの一段目と二段目を支えているため使えません。
どうしよう、困ったと思っておりましたら、背後から「大丈夫ですか?」と女性の声が聞こえてきたのです。
佐藤は必死にディフェンスをしておりましたので、振り返ることはできなかったのですが、どうやらお買い物中のお客さんだと思われます。
「あっ、これ、台車の車輪が外れてしまったんじゃないですかね」
と、その女性の方は言いました。
見てみると、三段目の箱が潰れているだけではなく、一番下で土台となっていた台車もどうやら傾いているようです。
しかし、それらの原因がわかったところで状況は変わりません。
一段目と二段目のブルーサイダーが入った箱は、思った以上にふらりふらりと安定感がなく、それらだけを持ち上げて床に置くということもできそうになかったですし、一歩間違えばすぐに崩れてしまいます。
三段目の潰れた箱を直すことはできず、台車をその場で修理できるわけでもなく、佐藤はただただブルーサイダー48本を支えることしかできません。
すると、声をかけてくださった女性の方が、「店員さんを呼んできた方がよさそうですね」と言ってくれましたので、佐藤は中腰で広げた両腕をプルプル震わせながら「お、お願いします…!」と依頼したのです。
その後、何人ものお客さんが佐藤のすぐ近くを通り、こちらをちらちら見ているなという気配と視線を感じました。
不思議なもので、こういう時というのは何でもない雰囲気を出したくなります。
佐藤のディフェンス状態は明らかに不自然ではありましたが、顔だけは普通を装っておりましたので、スーツ姿ということも考えれば、周囲のお客さんからはブルーサイダーの販売元や業者の方と思われていたかもしれません。
しかしながら、平然とした雰囲気でいられるのも、限界を迎えようとしておりました。
バランスを保ちつつ、中腰の体制で48本のブルーサイダーを支えるのは、ぽにゃぽにゃ体型でフィジカルコンディションが低下している佐藤にはかなり厳しいことだったのです。
ディーフェンス!ディーフェンス!
また、そんな声が響いてきました。
そして、
思い出せ……こういう展開でこそおれは燃えるやつだったはずだ…!!
と、佐藤が大好きなセリフも頭の中に浮かんできました。
ただ、そこには、部活に真剣に打ち込んでいた頃の佐藤はいないのです。
おりゃ~と全力で走れば、ほとんどのケースで周りの選手達を置き去りにできたあのスピードは今はありません。
ぴょ~んと跳べば、ゴールリングの近くまで到達できたジャンプ力も今はありません。
あるのは、ブルーサイダー48本を支えたい、早く帰ってブルーサイダーとメロンソーダを飲みたい、そんな気持ちだけなのです。
て、店員さん…、ま、まだかぁ…。
こ、これはぁ…、ぐぬぅ~、重いし…、体勢的にもきっついし…、あぁ~!
と、その時、少し離れたところに店員さんを見つけました。
佐藤は、「す、すいましぇ~ん!」と腕をぴくぴくさせながら店員さんを呼んだのです。
すると店員さんはすぐに駆け付けてくださいまして、佐藤を助けてくれたのでした。
腕も腰も限界を迎えつつも無事にブルーサイダー48本を支え切った佐藤は、ほっとして店員さんが売場を修復しようとしている場面を見ていたのですが、どうやら三段目に配置していたのは空き箱だったようです。
つまり、三段目の空き箱がぐしゃりと潰れ、その勢いで台車も壊れた、その結果、一段目と二段目のブルーサイダーは大きく傾いてしまった、というのが佐藤の推測となっております。
ちなみに、佐藤がブルーサイダーに触れるか触れないかの瞬間にガタンと傾きましたし、台車にぶつかってしまったとかそのようなことはありません。
正直なところ、
「あの~、空き箱でこんなに重い物を支え切れると思います?しかも今回のブルーサイダーって500mlじゃなく600mlですよ?たっぷり飲めるサイズが48本ですよ?それをねぇ、空き箱でねぇ、そりゃあこうなってもおかしくないですよね。もし崩れて転がったら、開封前とはいえペットボトルの中がシュワシュワ状態になって、もしかしたら炭酸が弱くなってしまうかもしれないわけで、そうなるとブルーサイダーが台無しですよ!」
と、言ってしまいそうになりましたが、とりあえずは堪えました。
ただ、本当に、小さなお子さんが近くを通った際などに崩れてきたら危ないと思います。
店員さんは佐藤に「申し訳ありませんでした」と言っていたものの、その直後に「あちゃ~、これもう箱がだめになってきてるなぁ」というようなことを呟いていたのです。
だからそもそも空箱で支えるような重さではないでしょうが、と佐藤は思いましたし、メロンソーダと同じようにブルーサイダーもしっかり冷蔵棚に陳列すればいいのに、ブルーサイダーだけでなくメロンソーダも特売価格にしてくれればいいのに!と頭の中では叫んでおりました。
その直後、先ほど佐藤に声をかけてくれた女性の方が店員さんを連れてやってきましたので、すでに解決したことを伝えると共にお礼をしたのですが、その方はとても若く、おそらくは高校生だったのではないかと思います。
必死でディフェンスをしていた時は振り返ることができませんでしたので、どのような方かわかりませんでした。
多くの大人の買い物客の方が佐藤のディフェンスシーンを見ながらも通り過ぎていく中、高校生がすぐに声をかけて店員さんを呼びに行ってくれたというのは、すごいことだなと思います。
自分には何も関係のない場面で、パッとすぐに声をかけたりして行動に移すというのは、できそうでなかなかできないことだと思うのです。
まぁ、その他の大勢のお客さん達に対しては、佐藤は何でもない雰囲気を出しつつブルーサイダーを支えておりましたから、それが見事に成功したという見方もできなくはないのですが…。
何にせよ、その方が最初に声をかけてくれたことで佐藤はがんばれましたし、特にとても若い方が誰よりも早く行動したというのは、本当に素晴らしいなと感心した出来事でした。
色々と大変ではありましたが、自分の好きな飲み物の一つであるブルーサイダーが転がり落ちることなく、無事に炭酸の強度も守られましたので良かったです。
(開封前に泡立つことで炭酸の強さに影響が出そうな気がするのは佐藤の個人的見解です)
衛生上の観点からも、床にごろごろと転がるのは決して良いことではありませんしね。
皆様がスーパーでお買い物をする際には、陳列の状況によってご紹介したような事態が起こる可能性もありますので、どうぞお気を付けください。
飲料メーカーの皆様におかれましては、ぜひとも、メロンソーダとブルーサイダーに続きストロベリーソーダの販売も検討していただければと思います。
また、もし可能でしたら、今後箱には「空箱への積み上げ禁止!ディフェンス力が試されます!」などの注意文を記載していただけますと大変幸いです。
それでは。