佐藤、先週に美容室に行き、髪を切ってまいりました。
訪れたのはこれまでに何度もブログ内に登場している美容師さんのいる、長年お世話になっている美容室です。
平日の業務後、帰宅途中でそのまま立ち寄れる時間帯に予約をしたこともありまして、佐藤がカットに入る際には他のお客さんはすでに帰られており、またスタッフの方も僅かな人数での体制になっておりました。
そんな中、佐藤はいつものように美容師さんの軽快なトークを聞きつつ髪を切っていただいていたわけですが、途中でその手が止まりまして、ある話題になったのです。
それは、コオロギについてでした。
どうやら、その美容室の周辺ではたくさんのコオロギがいるそうでして、なかなかの頻度で店内に入ってくることもあるというのです。
佐藤が虫全般を苦手にしているのは、ブログの中でいつもお伝えしている通りとなっております。
また、お聞きしたところ、その美容師さんも佐藤と同様に虫を苦手にしておりました。
さて、なぜ美容師さんが手を止めたのかと言いますと、それはですね、えぇ、コオロギの鳴き声が、お店の中で聞こえたからです…。
実は、その少し前から、佐藤の耳にも音は聞こえておりました。
ただ、それは店内に流れているBGMの一つか何かなのだろうと思っており、それほど深くは考えていなかったのです。
ところが、美容師さんはこれまでに店内に訪問してきているという実績があることからも、「絶対にいる…!」と確信を持ったようでして、音のする方へと確認をしに行きました。
静かな店内の中で、佐藤が音に集中すると、確かにコオロギのものであろう鳴き声が響いているのがわかります。
しかも、かすかにという感じではなく、明らかに、かなりハッキリとそれなりの音量で聞こえてきていたのです。
なお、コオロギの鳴き声をどのように表現しようかと考えましたが、その種類によっても異なるようですし、何とも納得のいくものが出てきませんので、皆様それぞれに思い描く音を想像していただければと思います。
音の元へと歩いて行った美容師さんですが、コオロギを発見することはできませんでした。
しかし、そのような会話をしている瞬間にも、また鳴き声が聞こえてきます。
「これ、外じゃないですよね…」
「間違いなく店内にいると思います…」
そんな話をしながら、佐藤にしては珍しく他の虫の話題も入れつつカットは進んでいきましたが、もし、もしも、万が一、気がついたら足元にコオロギがいたとか、身体のどこかにくっついていたという事態になれば、パニックになってしまうことは確実です。
そうなれば、カットしている最中に佐藤がいきなり「うへぇぇぇーい!!」などと言いながら飛び上がってしまうわけですから、危ない上に動いたことでとんでもない角度に髪が切れてしまう可能性も出てきてしまいます。
いつものようにトークを楽しみつつも、コオロギの鳴き声は近づいていないか、どこかに僅かでもモゾモゾした感覚はないか、ええっ!?と思ったらカットして落ちてきた佐藤の髪だった、などなどがありながら、時間は過ぎていったのです。
やがて、佐藤の髪は美容師さんの見事な技術により、きれいに整いました。
これまで同様に、髪だけではなく、トークとその雰囲気とで癒しの空間を提供してくださり、佐藤は一日の疲れが取れたな、スッキリさっぱりしたなと思いながら、お会計に向かったのです。
その時でした。
そう、再び、コオロギの鳴き声がしたのです。
しかも、ものすごく間近でありました。
音をする方に目を向けると、それはレジの奥、お客さんの上着や荷物などを入れておくロッカーの付近から聞こえてきていたのです。
また、その手前のスペースにはゴミ箱も置かれておりました。
棚の隙間も存在しています。
つまりは、その辺り一帯、どこにでもコオロギは隠れることができそうだったのです。
美容師さんは店長さんでもありますので、閉店後、まだいくつかの業務が残っているとのことでありました。
「コオロギと二人きりになるのはちょっとなぁ…」と心配しておりましたので、佐藤は、心の中では、いえ、理想としましては、「安心してください!佐藤が捕獲して自然に帰しますよ!」と宣言したい気持ちではあったのです。
しかしながら、現実的に考えて、発見したコオロギをひょいと手で捕まえるというのは無理であり、そのようなことは物心ついて以降ただの一度もしたことがありません。
では、他に何かグッズがあるのかと言えば、美容室でありますので、網やカゴなどがあるはずもないのです。
もし、何かしらの使えるものがあったとしても、相手を傷つけず、佐藤も傷つかず、安全で安心に外に逃がすというミッションは、かなりの高きハードルなのは間違いありません。
かと言って、いつもお世話になっている美容師さんが不安を抱えている中で、そそくさとお支払いを済ませて帰るというのも違うだろうと思いました。
佐藤は、一歩、いえ、半歩ほどを踏み込み、レジの裏側付近やロッカー、ゴミ箱の裏などにいないかと目を凝らしてみたのです。
その際にも、見事な、そう、このようなシチュエーションでなければ風情があるとも思えるようなキレイなコオロギの鳴き声が店内に響いておりました。
…。
……。
この後はどうなったのだろう。
ブログをご覧の皆様は当然ながらそう思われることでしょう。
今、こうしてブログにしているくらいですから、佐藤がコオロギを発見して尻もちをついて腰を痛めたとか、気づけばワイシャツの胸ポケットに入っていたとか、会員カードを返していただいた際に上に乗っていたとか、そのような展開を想像されたかもしれません。
結論から申し上げます。
美容室の中に確実にいたコオロギですが、佐藤、発見できませんでした!
美容師さん、お力になれずすいません!という気持ちです。
でも、やはり実際に見つけてもかなりオロオロしたでしょうし、いちお客の立場である佐藤が店内をあれこれ動き回るのもご迷惑になると考えましたので、あくまでもお会計等を待つ間に見える範囲で捜索をするに留めたことからも、そのような結果になったのだと思います。
はたして、あの後、美容師さんは、そしてコオロギはどうなったのでしょうか。
次回、髪を切りに訪れた際にはきっとその後の状況をお聞きできるはずです。
あるいは、佐藤、普段の生活の中でそちらの美容室の前を通ることから、たまに美容師さんともお会いしますので、その際にお話しを聞けるかもしれません。
どちらにせよ、何事もなく、双方に無事であったことを願うばかりです。
美容師さんはこちらのブログを見てくださることもあるため、もしかするとこの記事を読んで、あの日の閉店後はとんでもないドラマが待っていたよ、と思っている可能性もあります。
だとすれば、大変でしたね…、と素直に思う一方で、ブログ的にはありがたいエピソードになりますので、少しだけ、僅かながらに、期待をしてしまいますね…。
日々ブログをご覧になってくださっている皆様からは、よくいつもアイディアが浮かびますねというありがたいご感想と共に、けっこう色々なことが周囲で起こったり体験していますよね、というお言葉もいただきます。
確かにあれこれちょこちょことはおもしろいことがあるものの、お伝えしました通りに最終的には何もなかったという場合も、もちろんあるのです。
とは言え、佐藤的な感覚によるこれまでの傾向では、一瞬何もないと思わせておいてそれが何らかの序章であったというケースも多々存在します。
今回のお話しで言えば、それはつまりコオロギについてとなりまして、実は髪を切った翌々日には近所のあるスーパーの店内にてまさに目撃したという出来事もすでに発生しており、何か、こう、佐藤が「わきゃ~!」と驚くような事態だけはどうか起こらないでもらいたいなと、切に願っているところです。
ちなみに、カットの最中に繰り広げられた虫トークの中では、美容師さんがかなり存在感のあるカミキリムシを見たというお話しもありました。
その時に教えてくださったのですが、カミキリムシの「カミ」は「紙」ではなく、なんと「髪」の意味とのこと。
髪すらも切れる虫、なのだそうです。
そうしましたら、最近はスタッフの増員も視野に入れている店長さんでもある美容師さんでありますので、「カミキリムシ、髪を切れるならうちのお店を手伝ってくれないかな…」と愉快な発想をされておりました。
そして、さらにすごかったのは、そのお話しを同僚の方にお伝えしたところ、「そのカミキリムシって、美容師免許は持っているんですかね?」との返しがあったそうです。
美容師ジョーク、ですね。
本日は佐藤にしては珍しく、虫の名前を何度も綴ってしまいました。
そう言えば、今、まさに今、ふと思い出したことがあります。
前職のブログ時代を知る方はご存知かと思いますが、佐藤はかつてカメムシの話題を毎年のように綴っており、コードネームとして「K」と呼んでいたのです。
よく考えましたら、コオロギも、そしてカミキリムシも、ローマ字で表記しましたら、なんと、共に、「K」ですね…。
こ、これは、大丈夫でしょうか…。
何か良いことの前触れなら良いのですが…。
「新・K」として今後何かがあるのかどうか、それはわかりませんが、先週までの佐藤の髪と同様に気がつけばまた自宅の庭にある菜園めいたスペースが草でボッサボサになっており、除草剤は使えない場所ですので、そう遠くないうちに虫に注意しながら草むしりをしたいと思います。
ここまでの展開を踏まえまして、特に、とにかく、虫には気をつけなければいけません。
9月には入ったものの、夏モードになりスッキリ身軽になった髪型でがんばります。
それでは。